日本伝統花火 和火
和火とは
塩硝・硫黄・木炭などの自然原料を用い、伝統的な製法で作る炭火の花火です。
江戸時代、かつて武器として使われていた火薬は、人々を笑顔にするための花火「和火」に姿を変えました。和火は先人たちの技術と知恵、そして平和への祈りが込められた花火でもあります。
心を癒す灯り
和火の特徴である赤褐色の火花。
暖かみのある和火の灯りは
あらゆるものを優しく包み込み、
緊張や不安を和らげ、
心に安らぎを与えてくれる。
古来より火には悪や、病気、邪気を祓い、
心を穏やかに鎮める力があるといわれ、
その働きを火明玉神(ホノアカルタマノカミ)と称えてまいりました。
和火は火の神様が宿る、癒しの花火です。
大和心揺さぶる美しさ
和火は色彩豊かな洋火に比べる、華やかさこそありませんが
余計なものをそぎ落とし、「簡素」を追求した和火だからこそ
見出すことができる引き算の美学が、そこに存在します。
閑寂にしてどこか懐かしさを覚える赤褐色の炭の火の粉は
尾を引き、やがて儚く消えてゆく。
その姿は人知では計り知れない幽玄な美しさがあり、
目には見えない趣と「命」を感じることができる。
和火は「わび・さび・幽玄」「もののあはれ」といった
日本独自の美の概念に触れることができる日本の花火です。
多彩な表現力
和火はシンプルな花火ですが、その表現力は多彩です。
原料の産地や種類、性質の違いを見極め
バランスを調整することで色の濃淡や強弱をつけ
単色でありながらも壮大さや奥行を表現することができます。
また製法を変えることで線香花火から手持ち花火、仕掛け花火や打上花火まで
様々な形の花火を創造することもでき
水墨画のように炭の火の粉一色で独自の世界観をうみだすことができる花火です。
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