祈り火

花火の原点に「祈り」があります。
時には御霊を癒し、時には大自然への働きやご先祖様に感謝を示し、
時には五穀豊穣を願い・天下泰平を祈る。
日本には古来より営みの中に「祈り」の文化がありました。
そして江戸時代、「祈り」のシンボルとして花火もそこに存在していました。

プロローグ

和火との出会い

私が花火師を目指すキッカケとなったのが
「天国の本屋~恋火~」という1本の映画との出会いでした。
大切な人を想い天国に向け花火を打ち上げる花火師の姿、
劇中で打ち上げられていた和火の花火。

見ているだけで気持ちが落ち着き、心が暖まる、不思議な魅力を持った和火に魅了されるようになっていました。
いつか自分も人の心を癒すような花火をつくりたい!
そう心に誓い、花火の道を進む決意をしました。

和火師として

「祈り火」を始めようと思ったキッカケとなったのは東日本大震災。
花火師として自分には何ができるだろうか。
自問自答するなか直感的に頭をよぎったのが映画のワンシーンで打ち上げられた和火の花火を打上げることでした。

しかしながら、その想いはかなわず、ただただ無力で悔しさと虚しさだけが残り、花火の本質は何か、花火の存在自体を疑問視する日が続きました。
そんなある日、花火の原点が慰霊や鎮魂といった「祈り」にあることを知りました。
そしてその時代に和火が打ち上げられていたことも・・・。
私のなかにあった点が線となった瞬間、独立を決意しました。

「自分の打ち上げたいときに、打ち上げたい場所で、打ち上げたい花火を上げる」
私の心を癒したように、世界をも癒やす「和火」を「祈りの花火」を打上げることを夢見て・・・。

感謝と祈りを花火に込めて

独立から6年、
活動をスタートさせる環境がようやく整いました。

私にとって花火とは何か。
向き合い続け、たどり着いた答え。
それは「私なりの祈りの形」であるということ。

「いかなる恐れも抱かぬまま、美味しい空気を吸い、
美味しいお水を飲み、畑を耕し、狩りをし、
家族と共に笑顔で暮らせるように」

祖先の時代から望んできたであろう心豊かで平穏な暮らしを
守るため、ただただシンプルなこの「祈り」を届け続けていきたい。

祈り火

奉納の花~自然と共に生きる日本人の心~

古来より日本には八百万の神々の概念があります。
御祖神や万物の働きの中に神の存在を見いだし、
その恵みを享受することで、心身ともに豊かに暮らしてまいりました。
また人知の超える自然の働きに対し、畏敬の念や感謝の心を込め、
祭祀や神事の場で祈りを捧げる。
日常の中に神様やご先祖様との繋がりがありました。

そして花火も祈りの一つであり、ご神事であると私は考えます。
古くから繋がる大和の心。
花火という形で後世へ伝承していきたいと思います。

慰霊鎮魂の花~過去と向き合い、未来へ祈る~

当たり前のようにある安全で平穏な生活。
その陰には過去に起きた災害や事故、事件、歴史上の出来事から得た教訓があり、向き合えば向き合うほど、多くの犠牲や悲しみ、苦しみ、葛藤があることを知りました。

先祖より命のバトンを受け取った私が、
今を生きる私ができることは何か。
それは弔意を込めて、御霊をも癒す和火を打上げること。
教訓を活かしより良い世界を創造していく決意表明をすること。
そして歴史を未来へと繋いでいくこと。

御霊の安らかならんことを願い、
祖先が望んだ平穏な世界を創造するために
慰霊・鎮魂の花火を打ち上げていきたいと思います。

「祈り火」の活動は、趣旨へのご理解いただきました会員様のご協賛、ご支援のもと運営を行っております。
花火が打ちあがるわずかな時間ではございますが、皆様と共に祈りを共有できれば幸いに思います。

和火師佐々木厳へのご支援やお問い合わせは、一般社団法人inoribiにて承っております。

一般社団法人inoribi

共有: